恒例のアレルギー週間記念講演会に行ってきました。
各先生、スライドを用いてのお話でしたので以下にコメントとともに紹介します。 

1)「今、なぜアレルギー疾患か?」
 講師 西間 三馨先生(日本アレルギー協会九州支部長)




 今、なぜ?という表題はちょっと変ですが・・で始まる。



 昔は、公害で喘息患者が多かったが現在は環境改善により、ざっくり言うと喘息に関しては減少傾向であるが下のグラフのように「アトピー性皮膚炎」「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」「花粉症」が増えている。


 
つづいて、おなじみの「アレルギーマーチ」については・・



 いわゆる食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などから始まり、それが治ったら喘息やアレルギー性鼻炎や結膜炎へと移行するという考え方は当てはまらなくなっている。

 いつのタイミングで何が発症するか?順番通りにはいかない。

 それから、先生が強調されていたのが花粉症における舌下免疫療法の効果や成果をマスコミは積極的には取り上げないということ。マスクや眼鏡、つるつるした生地の服装や空気清浄機、スギの植え替えなどの情報に終始し、「舌下免疫療法」の副作用の少なさや成果が実証されつつある事実を知らせていないとの指摘。

マスコミは、もっと「舌下免疫療法」の情報を積極的に取り上げてほしいとの事でした。

2)「アレルギーとストレス」 講師 久保 千春先生(中村学園大学・短期大学部 学長 (元九州大学病院長)






 あなどれないストレス問題!




 ストレスを発散出来れば良いのですが、それがうまく行かなければ(不登校、反社会的行動、アルコール、薬物依存症等のような行動に現われたり、精神的にうつになったりすると結果的に身体化(胃潰瘍、小瓶性腸症候群、高血圧、頭痛等の心身症)へとつながる。



 そして、アレルギー増加の原因となっている。



 上のグラフのように意外に多い発作のきっかけとなっている。

そして、うつになりやすいという傾向も多い。



 そして、上の図のように結果アレルギーの増悪へとつながり悪循環。従って、ストレスを受けないようなまわりのサポートが必要で大事になる。

 特に、子供は親の影響を受けやすい。

 そこで、下の図のような「ストレス対策と予防」が必要になってくる。




 ここで、西間先生のするどい突っ込み!

 「そうは言ってもストレスからの回避は難しく、眠れなかったり食欲が出なかったり、リラックス法など、そうそうあるわけでもなく対談相手もいない等・・現実には難しいのではないか?」

 これに対して久保先生の返答は、「ここに挙げたのは一般的な項目で、実際には各患者さんのストレスの原因などを時間をかけて聞き出し(約1時間半ほどかかる場合もある)その患者さんに適したストレス対策と予防を進言する。」のだそうです。

 しかし、1時間半かけてカウンセリングしても診療報酬は少なく薬を出した方が診療報酬的にも早いという現状もある。これではマズいので、専門医には診療報酬の見直しをしてもらうべく働きかけている。との裏話も。


3)食物アレルギー講師 柴田瑠美子先生(国立病院機構福岡病院アレルギーセンター顧問)




 食物アレルギーの権威の柴田先生の講演は、スライドを読んでいただくのが正確を期するためにも良いので以下に紹介します。
 






























































 特に印象に残っているのは、ナッツ類のアレルギーが増えていることと桃にも注意!ということです。食物アレルギーはアナフィラキシーショックで命を落とす可能性もあるため正確な情報が必要ですね。
学校の先生など、これらの資料は貴重だと思います。

5)「気管支喘息」 講師 小田嶋 博 先生(国立病院機構福岡病院 小児科・アレルギーセンター顧問)






















 運動後の発作が目立つ。



 運動制限からの解放を望むということは、やはり運動というのは発作につながる。



 高校生くらいの年頃は何でも「大丈夫です」と答える傾向があるので、本当にそうなのか?見極めが必要。

















 最近は「加熱たばこは良いだろう」と思われる方もいるが普通に悪い。電子タバコについては、国産のモノなら良いけれど外国産で中には悪いものもある。

5)「スキンケアと吸入方法について」 講師 池田 奈央さん (国立病院機構福岡病院小児アレルギーエデュケーター)











 































 ここで、印象的な話…

・子供にまかせっきりは、お母さんが「お薬塗った?」と聞いて子供が「塗ったよ。」という会話。←普通の会話それに対し「お薬塗った?」と聞いて「塗ってない。」と答えると「塗らなきゃダメじゃない!」という会話になるとお薬→怒られる。というイメージになるので続かなくなる。

だから、子供が薬を塗る時は親や周りの者が見守ってあげることが良い。ちゃんと塗ったらほめる。

また、子供にまかせっきりにすると十分な量を塗っているか分からない。











6)質問タイム

 ここで、私もちょっと質問した。

私、「私は、ダニアレルゲンの少ないふとんを専門に作って販売していますが、顧客の1%くらいなのですが化学物質アレルギーの方がいらっしゃいます。そういう方には、(事前にサンプル素材を送って、大丈夫そうな方に)何回か洗ってから使って下さい。と言っていますが、それでも半分くらいは返品になります。

 商売的には全然合わないのですが、『本当に困っているのでお願いします。』と言われると気の毒になるので度重なる問い合わせにも真摯にお答えしています。

 そこで、お尋ねしますが化学物質アレルギーの現状と治療法について教えて下さい。」

西間先生、「まず、化学物質アレルギーではなく正確には化学物質過敏症と呼ぶことになっています。そして、どちらかといえば心療内科の久保先生の分野になるかもしれないので久保先生如何ですか?」

久保先生、「大変難しい問題で、本当に何かに反応しているかもしれませんが心の問題かもしれません。私は、化学物質過敏症に権威のある先生は聞いたことがないくらいです。」

西間先生、「久保先生が聞いたことがないということは、化学物質過敏症の権威はいないということです。ふとんに関しては、何回か水洗いして使ってもらうしか策はないね。」

私、「それでは、そういう患者さんは何課を受診すればいいのでしょう?」

西間先生、「残念ながら、いくつもの病院を回るようなドクターショッピングという形になっています。」

私、「治療法やお薬は無いのでしょうか?」

西間先生、「実際に何かの化学物質に反応しているかもしれないが医療的にはどうしようもないのが現状です。」

※西間先生は、正直に言われる先生なので信頼できる尊敬する医師です。
 
 化学物質過敏症の具体的な解決法は無いようですが、尋ねられたら《心療内科》も選択肢の一つとして アドバイスしてみようと思います。

 会が終わって、たまたまスザキーズ愛用者の参加者の方が、私の方に来られ・・
「私も化学物質過敏症だけど何回も洗って使っているよ。洗えば洗うほど良い感じになっているよ。」とおっしゃっていただけました。



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